こころ ほどけゆく

眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく

わたしをみつめる“わたし”

ゆめの
なかにあって
じっと
わたしを
みつめている
“わたし”が
いつも
いる

うつつの
なかにあって
じっと
わたしを
みつめている
“わたし”が
つねに
いる

わたしに
そまることなく
わたしに
おもねることなく
わたしを
かなしむことなく

わたしが
うまれる
ずっとまえから

わたしが
しんだ
あともずっと

わたしを
じっと
みつめている
“わたし”が
いる


なあむ

ひとりじめ

ひとりじめは
じめじめ
くらくていやしい

ひとりじめを
すぐやめて
からからっと
ひとさまと
わけあいわかちあって
いきていこう

ひとりがちは
がちがち
らんぼうでいやしい

ひとりがちを
すぐやめて
さらさらっと
ひとさまに
おゆずりして
いきていこう


なあむ

ていてんかんそく

ひとが
たくさん
いきかう
まちかどに
すわって

ひねもす

とおりすぎる
ひとびとを
ひたすら
ながめてすごす

あさ
ひる
ばん

じつに
さまさまなひとが
とおりずぎていく

おさないこ
わかいひと
おじいちゃん
おばあちゃん
おんぶされたあかちゃん
おとこのこ
おんなのこ
おおきなひと
ちいさなひと
ふとったひと
やせたひと
じょせい
だんせい
けんこうそうなひと
そうでもないひと
かねもちそうなひと
びんぼうそうなひと
えがおのひと
ふきげんそうなひと
がいこくのひと
にほんのひと
はしっているひと
つえをついてるひと

きのうの
わたしが
めのまえを
とおりすぎ

あすの
わたしが
わたしを
おいぬいてゆく

きのうのわたしに
てをあわせ
あすのわたしに
てをあわせ

すべての
とおりすぎゆくひとに
てをあわす


なあむ
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