こころ ほどけゆく

眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく

「このひろびろとしろいページに
 くっきりとさいているか

 ことに
 むなしくふりあげられているあしあし

 いつか どんなふうなわけからか
 こえねばならなかったページであろう

 それは かがわるいのでもページがわるいのでも
 なにがどうだというのでもなかったであろう

 ああ
 このひつぎのようにしずかなページに
 おしばなともみえるおとのないかだ」

   (「ノートにはさまれてしんだか」まど・みちお)



ノートに
はさまれて
しんだ
かは
わたしだった
かもしれない


なあむ

くものうえなみのした

あめかぜであれる
ちじょうから
くものうえに
のぼれば
どこまでも
ひろがる
あおぞらがある

おおなみでゆれる
かいじょうから
なみのしたに
おりていけば
どこまでも
しずかな
しんかいがある

べつべつの
いきものにしかみえない
いのちは
めにみえぬねもとで
すべてが
つながりささえあって
いきている


なあむ

へいわのすみか

そとに
もとめても
へいわは
ついに
えられない

そとに
もとめているうちは
かならずきっと
うらぎられる

へいわ(のたね)は
さいしょから
わたしの
うちにしかない

うちなる
へいわのたねを
みいだして
たいせつに
はぐくんでゆく

とわの
へいわを
えるためには
そとではなく
わたしの
うちの
おくふかく
たずねゆくしかない


なあむ
ギャラリー