なにかを
しょゆうするとは
なにかに
しょゆうされることである
なにかを
わがものとするとは
なにかに
とらわれることである
それより
なにより
そもそも
ひとは
なにかを
しょゆうすることができるのか
おのれの
からだもこころも
おもいのままにできぬ
ひとに
しょゆうできるものなど
どこをさがしても
なにひとつ
ちりひとつ
ないのである
わがものとし
しょゆうできるものなど
このよに
なにひとつないと
きづいてはじめて
ひとは
じねんのなかで
あゆみはじめる
なあむ
眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく