いつくしみは
やさしい
こういのなかにだけ
あるのではない
きびしい
ことばのなかにも
いつくしみは
かくれている
いつくしみは
いつくしみそのもの
として
つねに
あらわれるのではなく
ときには
おにとしか
おもえぬような
いつくしみとは
ほどとおい
きびしい
こういやことばに
つつまれて
あらわれ
くるものである
それを
みきわめ
うけとめることが
できるのか
ひとは
つねに
ためされている
なあむ
眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく