「ゆくさきに
 わがやありけり
 かたつむり」
 (やまおかてっしゅう)


すみなれた
わがやは
なんともいえぬ
なつかしさ
あたたかさに
あふれている

わがや
だけではない
あいするかぞく
しかり
なかよきとも
しかり

その
あいすべき
わがやを
はなれ
いとおしい
ひとびとと
わかれることの
どれほど
つらく
さびしく
かなしいことか

それでも
そのときは
かならず
やってくる
あすにでも
いますぐにでも
おとずれてくる

だからこそ

あいするものを
あいすることなく
(しゅうちゃくせず)
いとおしいものを
いとおしくおもわず
(とらわれず)
まえに
まえに
すすみゆく
かくごが
ひつようなのだ


なあむ