こころ ほどけゆく

眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく

しにゆくひとのいさん

「いさんなき
 ははがゆいいつの
 ものとして
 のこしゆく「し」を
 こらはうけとれ」
   (『はなのげんけい』なかじょう ふみこ)


しが
しゃかいから
はいじょされ
かくされるようになって
ひさしい

し(しぬこと)を
いみきらいみえなくし
しが
そばにないしゃかいは
かならず
せい(いきること)も
おとろえ
しぼんでゆく

めのまえで
うまれくるあかごが
えんあるひとみなに
しゅくふくされ
かんげいされるように

めのまえで
しにゆくひとが
えんあるひとみなに
おしまれみとられ
ありのままの
すがたをみせてさってゆく

これこそが
しにゆくひとが
のこるひとに
のこす
かけがえのない
いのち(しょうじ)の
いさん(たから)である


なあむ

ねてもさめても

「みだだいひの
 せいがんを
 ふかくしんぜん
 ひとはみな
 ねてもさめても
 へだてなく
 なむあみだぶつを
 となうべし」
   (しんらん)


はちじゅうごさい
さいばんねんの
しんらんしょうにんが

ねてもさめても
なむあみだぶつを
となえよと

わさんで
おときになった

おはようの
ことばにそえて
なむあみだぶつ

ありがとうに
ほほえみそえて
なむあみだぶつ

こんにちはの
ことばにそえて
なむあみだぶつ

ごめんなさいに
きもちをそえて
なむあみだぶつ

こんばんはの
ことばにそえて
なむあみだぶつ

おねがいしますに
いのりをそえて
なむあみだぶつ

おやすみなさいの
ことばにそえて
なむあみだぶつ

いつでも
どこでも
ねてもさめても
わたしに
あなたに
みなさまに
なむあみだぶつ

わたしは
こうして
ほとけ(いのち)に
むすばれ
ぜんうちゅうに
いだかれてゆく


なあむ

なむあみだぶつ

てをあわせ
ひたすら
となえる
なむあみだぶつは

あみだぶつに
きえします
すべてを
あみだぶつに
おあずけしますと

わたしが
あみだぶつに
となえている
のではありません

わたしをかりて

あみだぶつが
むりょうのいつくしみ
むげんのいのちで
わたしを
すくいあげんとする
はたらきの
あらわれなのです


なあむ

ほとけさまはどこに?

ほとけさまは
どこに
おいでになるか
しっていますか?

ほほえみたえず
おだやかで
こころひろく
あいじょうにみち
いつくしみあふれる
ひとびとのなかに
ほとけさまは
おいでです

でも
そこにだけでは
ありません

ばかもの
いじわる
うそつき
おろかもの
だいあくにん

ありとあらゆる
ひとびとの
こころのなかにも
ほとけさまは
おいでです

おいでになる
どころか
いまか
いまかと
じぶんのでばんを
おまちになっています


なあむ

かくご

「ゆくさきに
 わがやありけり
 かたつむり」
 (やまおかてっしゅう)


すみなれた
わがやは
なんともいえぬ
なつかしさ
あたたかさに
あふれている

わがや
だけではない
あいするかぞく
しかり
なかよきとも
しかり

その
あいすべき
わがやを
はなれ
いとおしい
ひとびとと
わかれることの
どれほど
つらく
さびしく
かなしいことか

それでも
そのときは
かならず
やってくる
あすにでも
いますぐにでも
おとずれてくる

だからこそ

あいするものを
あいすることなく
(しゅうちゃくせず)
いとおしいものを
いとおしくおもわず
(とらわれず)
まえに
まえに
すすみゆく
かくごが
ひつようなのだ


なあむ
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