こころ ほどけゆく

眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく

かがやくあなた

あなたが
どれほど
なやみくるしみ
もがきかなしみ
ないていたとしても

あなたが
いま
ここで
いきている

それだけで
あなたは
まぶしいほどに
ひかりかがやいています

じぶんで
きづついていなくても

なやみくるしみ
もがきかなしみ
なきながら
いきている
あなた

そのあなたが
かぎりない
ちからと
いいつくせぬ
ゆうきを
わたしにさずけ
たいようのように
ひかりかがやいています


なあむ

がんばりすぎずへこたれず

がんばれ
がんばれ
がんばれ


おおごえで
ひつよういじょうに
がんばれと
ひとは
れんこしすぎる
きらいがある

がんばれの
せいえんで
がんばれるひとは
いいけれど

めいっぱい
ぎりぎりまでも
がんばっているひとには
おもにとなり
がんばりたくないひとには
めいわくなはなしとなる

そとからの
ちからで
がんばるのではなく
うちから
こんこんと
あふれでてくる
たましいのえねるぎーの
おでましを
まてばいい

がんばりすぎず
へこたれず
あわてず
いそがず
あきらめず


なあむ

にらめっこしましょ

「だるまさん
 だるまさん
 にらめっこしましょ
 わらうとまけよ
 あっぷっぷ」
   (「だるまさん(にらめっこ))


おさないこどもらが
にらめっこしましょで
あそんでいる

にらめっこしましょ
あっぷっぷ

ほほをふくらまし
はなにゆびをつっこみ
よりめにしてくちをひろげ
へんがをつくって
にらめっこをはじめるが

すぐに
ひとりが
わらいだし
つぎつぎに
みんなが
わらいころげだしては

なんども
なんども

あきることなく
あそんでいる

わたしも
とおくでひとり
へんがおをまねて
こどもらのなかまに
くわわって
わらいころげた


なあむ

うちゅうとわたしはおないどし

「うちゅう
 だいならず
 にんげん
 しょうならず」
  (わだしげまさ)


わたしは
うちゅうと
おないどし

うちゅうが
うまれたとき
わたしが
うまれたのだから

わたしが
うまれる
ずっとずっと
まえから

わたしが
しんだ
ずっとずっと
あとまで

わたしは
うちゅうと
ともにいる

わたしが
あるから
うちゅうが
あり

うちゅうが
あるから
わたしが
ある

うちゅうが
なくなれば
わたしも
きえて

わたしが
なくなれば
うちゅうも
きえる


なあむ

「このひろびろとしろいページに
 くっきりとさいているか

 ことに
 むなしくふりあげられているあしあし

 いつか どんなふうなわけからか
 こえねばならなかったページであろう

 それは かがわるいのでもページがわるいのでも
 なにがどうだというのでもなかったであろう

 ああ
 このひつぎのようにしずかなページに
 おしばなともみえるおとのないかだ」

   (「ノートにはさまれてしんだか」まど・みちお)



ノートに
はさまれて
しんだ
かは
わたしだった
かもしれない


なあむ
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