こころ ほどけゆく

眼ある人は盲人のごとく 耳ある人は聾者のごとく 知慧ある人は愚鈍なる者のごとく 強い者は弱い者のごとく

悟り

わたしをみつめる“わたし”

ゆめの
なかにあって
じっと
わたしを
みつめている
“わたし”が
いつも
いる

うつつの
なかにあって
じっと
わたしを
みつめている
“わたし”が
つねに
いる

わたしに
そまることなく
わたしに
おもねることなく
わたしを
かなしむことなく

わたしが
うまれる
ずっとまえから

わたしが
しんだ
あともずっと

わたしを
じっと
みつめている
“わたし”が
いる


なあむ

くものうえなみのした

あめかぜであれる
ちじょうから
くものうえに
のぼれば
どこまでも
ひろがる
あおぞらがある

おおなみでゆれる
かいじょうから
なみのしたに
おりていけば
どこまでも
しずかな
しんかいがある

べつべつの
いきものにしかみえない
いのちは
めにみえぬねもとで
すべてが
つながりささえあって
いきている


なあむ

だいしょうびしゅう

ものごとの
だいしょうびしゅうは
ものごと
それじたいのなかにはない

みるひと
さわるひと
かんじるひとが
だいしょうびしゅうをきめる

ものごとは
なにひとつ
かわることはないのに
ひとにより
おおきく
ちいさく
ふかく
あさく
みにくく
うつくしく
ちがってみえてくる


なあむ

だれもみていなければ

だれも
わたしのことなど
みてはいない
せかいは
わたしのことなど
きにすらしていない

ならば
わたしは
なにをしてもよいのか?

けつろんをいえば
なにをしても
よいのである
なにもしなくても
かまわないのである

ただ
だれが
みていようと
みてなかろうと
うまれてからしぬまで
“わたし”だけは
わたしを
ずっとじっと
みている

このことを
けっして
わすれてはならない


なあむ

いそがばとまれ

いそぎに
いそいでいると
こころははやり
かんじんの
おのれまで
おきわすれ
かけだしてしまう

いそぎたければ
いそぎたいほど
けっして
さきを
いそいではならない

いそげば
いそぐほど
めざすばしょから
とおくとおく
とおざかる

いそがばとまれ!

おもいをきって
とまってみれば
ああらふしぎ
そこが
そのまま
めざすばしょ
だったと
きづかされる


なあむ
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